高野山を訪ねて

お坊さん、走る!

さて、久しぶりの日記である。
兄の「ホームレスからの脱却」は計12回シリーズで記してみたが、私はそのときどきの兄の気持ちを聞いていないので、会社をリストラされたこと、退職金を使い果たしたこと、夜逃げをしたこと、ホームレスになって空き缶拾いの日々を過ごした、そのときどきでココロに潜めていた思いがどうだったかわからない。

今は、アルバイト2件の掛け持ちから夜勤の工場1本に変わり、まあまあ安定した収入をもらっているようである。相変わらず、姉がお金の管理をしているのだが・・・。

今日は仕事の取材の下見に、高野山を訪ねた。遠いとは判っていたが、和歌山県の地方都市・橋本市からさらに40キロ先にあるらしく、山道をくねくね登っていかなくてはならない。

台風のなごりか、季節はずれの蒸し暑い風が吹いている。やっと到達したのは昼すぎで自宅から2時間半かかった。

高野山」と描かれた大きな文字を掲げた大門が、高野山メインストリートの入り口のようで、結構、観光客の歩く姿を見ることができた。メインストリート沿いにはお土産屋が並び、どこででも見かける観光地の風景だが、わき道に入ると、静寂な寺が建ち並び、結構いい雰囲気である。

なんといっても奥の院につながる参詣道は、巨大な杉林の中を分け入るように石畳の道が続き、抜群のロケーションだ! 織田信長武田信玄といった戦国武将をはじめとする歴史上の怪傑たちの墓碑が点在し、まさに高野山らしい風景といえる。

いくつかの取材スポットを確認し、昼ごはんは食堂で親子どんぶりを食べた。精進料理のメニューもあったが、宿坊で食べるならともかく、値段が1800円もするのでやめた。

帰り道、前方で信号待ちをしているお坊さん集団に遭遇した。オレンジ色の袈裟を着ており、これはチャンスと、車の中から撮影した。走っている姿は若者らしく、溌剌としている。

大門のふもとに小さな饅頭屋さんがあり、自家製の酒蒸し饅頭と栗饅頭、きび団子をお土産に買った。家で息子たちと食べたが、どれもとても美味しく、私はコーヒーによくあった栗饅頭がイチオシ。なぜか息子は酒蒸し饅頭がイチバンといっていた。
「南峰堂」(0736・56・2316)