アケビ採り

あまり食べもしないのに、なぜかアケビ採りにこだわる夫と息子。昨日、いい天気だったので、昼から近くの山にアケビ採りに行った。息子はあいにく中間試験前なので、家でお勉強。「アケビでも何でも採ってきて。できたらキノコ!」と叫んでいた。

クルマで15分ほど走ると、山に到着した。いくつか山頂に向かうハイキングルートがあるようだが、あまり人の通らない道を登った。2年前に同じ道を通ったときは、「霊園建設反対」の看板があちらこちらに立てられ、仰々しかったのだが、それらはすっかり撤収されていた。ということは、霊園ができたのである。

その新しい霊園の横を通って、さらに登っていき、途中でクルマを止めたが、その近辺は不法投棄のポイントでもあった。見知らぬ人が私たちを見たら、ごみを捨てにきたのではないかと勘違いするかもしれない。

山道を少し歩くと、向こうから降りてくる一人の女性に出会った。地元の人らしく、案の定「このあたりでなんの用事で・・・」と声を掛けられたが、アケビを採りに来たと説明すると、安心した表情になった。山歩きの好きな女性のようで、これまで登った山の名前を次々挙げ、「来週は山岳写真の個展をする」などと汗をぬぐいながら、ひと通り語った。

こんな町に近い山でもイノブタが出没するようで、女性は腰にラジオをつけていた。また、最近ではアライグマが畑を荒らすらしく、そのような被害に遭っていることも話してくれた。

ようやくその女性と別れ、雑木林の上のほうを眺めていたが、見つけたアケビはほんのわずか。家から持ってきた高枝切りバサミで採ってみると、ぱっくりと口が開き、鳥に種を食べられてしまっていた。

1週間来るのが遅かったようで、山のめぐみはわずかな日のズレで左右されるようだ。といってもアケビの種がそんなに美味しいとも思えず、鳥に食べてもらったほうが有益には違いない。